とうとう完成しました、手打ちラーメン!!
手打ちラーメンに初めて挑戦して以来、はや3年。とうとう納得のゆく手打ち中華麺を打つことが出来ました。今回は自分用のメモとして、また最近増えてきた他の海外在住の読者の皆さんの参考として、大量の写真と詳細な解説付きでお送りさせていただきます。

私の手打ち中華麺のスタートは、料理本にあった「カン水なしで出来る中華麺」からでした。小麦粉と卵と塩で練り上げる物だったのですが、はっきり言ってただの細いうどん。全然ラーメンらしい物は出来ませんでした。
どう考えてもカン水が必要だという結論に達してしばし停滞。ところが日本で中華料理屋をやっているというお客様の登場によって状況が好転します。カン水が欲しいとメールしたところ、出入りの製麺業者に頼んで粉末カン水をわざわざ手に入れていただいて、おまけにニューカレドニアまで送っていただけました。埼玉県朝霧市の中華料理屋、慶楽さん、このご恩は一生忘れません。
カン水が手に入ったので俄然やる気が出てきて中華麺作りを再開しました。その時の様子は↓をご覧ください。
<<冷やし中華が喰いたい!!>> この時はただ細いだけのうどんから一気にラーメンらしい味になったので、それはそれで感動してました。ところがその後2回3回と作っていくうちに決定的な欠点に行き詰まってしまいました。
コシが足りないんです。ラーメンの味はするけれど日本ソバの食感に近いコシのなさなんです。
原因はニューカレドニアで売っている小麦粉の質にありました。麺類のコシというのは小麦粉に含まれるグルテンの作用によって、こねればこねるほど出てくる物なのですが、こちらで売っている小麦粉は日本の強力粉に比べてかなりグルテンの含有量が低いようなんです。これではいくら力を入れてこねても結果は同じ、またまた中華麺作りは壁にぶつかってしまいました。
そして
<<先日ご紹介した三七ソバの玉砕>> さらに
<<グルテン添加物の発見!!>> これらの経過をへて、またまた手打ち中華そばへの探究心に火がつきました。ということで、『手打ち中華そば、成功への道のり』の始まり始まり~~(前ふり長っ!!)

4~5人前の材料は左下から小麦粉500g、グルテン添加物20g、全卵1個、粉末カン水小さじ擦切2、塩20g。
まず100ccほどの水に塩、カン水を溶かしたものに全卵を加えておきます。それから水の量を調整するのですが、今まで麺物は粉量の45%の水で錬るのを基本としていたのですが、カン水によるグルテンの強化作用によって45%の加水率ではどうやっても生地をまとめることが出来ませんでした。

そこで、様子を見ながら加水していき結果としては粉の55%、つまり275ccの卵水で生地をまとめることが出来ました。

この生地をパスタマシンで伸ばしては半折りにして伸ばす作業を繰り返します。生地がだんだんしっとりと弾力を帯びてきて、かなり引っ張ってもちぎれないようになるまで作業を繰り返します(多分20回位)。

なお、500g全量は一度に作業できないので半分に分けて作業しました。出来た生地はいったん丸めてラップに包んで2~3時間寝かせます。寝かせることによって水分がより均等に浸透して、よりしっとりした生地になります。

寝かしておいた生地を広げて全量を8等分に切ってパスタマシンの一番薄い設定で引き延ばします。引き延ばした生地を場合によってはさらに手で伸ばして極力薄く仕上げて打ち粉(小麦粉)をしておきます。

パスタマシンにスパゲティー用のカッターを取り付けます。

薄く伸ばした生地をカッターで切ります。

出来上がった麺に打ち粉をして4等分にした物を手で揉んで縮れをつけます。

これで麺は完成、冷蔵庫で保存しておきます。
続いて具ですが、茹でキャベツ、冷凍コーン、ネギ、手製チャーシュー、手製メンマ、冷凍アスパラ、なぜかオレンジ色のカニカマと言ったラインナップとしました。

今回は麺の開発がメインなのでスープにはこだわりません。日本のネットショップで手に入れて知り合いに運んでもらった永楽等のスープから好みの物をそれぞれ選びました。ちなみに私は味噌スープにしました。

大鍋に湯を沸かして手打ち麺を茹で、温めたドンブリにスープを入れて350ccの熱湯を加え、ゆであがって湯切りした麺を入れ、具をトッピングして出来上がりです。

今回は私とおかあちゃん、マリンスポーツインストラクタ『ガッツでウェイク』こと村瀬君とそのお友達さんの4人でいただきましたが、全員一致で「普通に日本と同じラーメンだ!!」という感想でした。
今回はどこまでコシが出せるか分からなかったので、ぶち切れ防止に太めの麺で打ちましたが、これだけびよ~んと伸びるほどのコシが出れば大丈夫、次回からはパスタマシンの設定をいじって極細のラーメンを作りたいと思います。
あ、でもね、たまに誤解される方がいらっしゃるんですが、比べるまでもなく日本製のプロの作った生麺が一番ですよ。それが手に入らないから苦労して作っているだけで、皆さんがせっせせっせと常温保存の生麺を運んできてくれればこんな苦労はいたしません。
あ~、お盆で忙しいと言いながら、こんな長編書いちゃいました。それでは、また~~。
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