和太鼓張替準備編に続いて、和太鼓張替1回目でございます。
<<和太鼓張替準備編>> (↑免責の前置きがありますので、見てない方は目を通してくださいませ)
いよいよ日本でレクチャーを受けてきた和太鼓の皮の張替、実践編です。
技術指導(訪問順敬称略)
・
和太鼓破魔・
諏訪工芸・
まつり工房・寺門勝
動画:和太鼓張替1まずは日本で買ってきた皮を戻します。

水になぜかウイスキーを入れるといいと言われました。まあ、確かにいい香りがします(笑) 皮の内側にも水を張りますが、あまり上まで戻すと”耳”が弱くなるのでそこそこに、、、

皮を戻している間に張替台を用意します。これは準備編で紹介した自作台ですが、実は張り替えている途中で強度が足りず底板が割れてしまいました。

結局、途中で垂木(たるき)を買ってきて、こちらのセットに変更しました。

皮を戻すのに必要な時間は1時間から一昼夜までと諸説あったのですが、皮を譲っていただいた諏訪工芸さんのご意見に近い1時間半で戻し作業終了。

この太鼓の胴はくり抜きではなくて貼り合わせの軽量タイプなので、皮を張るために強い圧力をかけると割れてしまうことがあるそうです。で、そうならないように荷造りバンドで締め上げます。ラチェット付きのバンドで結構きつく締めました。
基本的な作業は、ロープを締める(最初は手、次にターンバックル、最後に油圧ジャッキ)、耳を叩いて落とす、打面の長さを測っていびつになっていないか確かめる、いびつになっていたら、短辺の両端のターンバックルを少し緩める、上に乗って足で踏む、の繰り返しです。


最後の方になったら、ジャッキをあげる時によく耳をすませて、皮がちぎれる音がしないかどうか注意します。というか、実は皮が裂ける音が止まらず、あ、あ、あ、と言ってる間に一箇所耳がちぎれてしまいました、、。その場合は、それ以上引っ張らないようにそこだけ鋲打ちをして固定します。
最後に木槌で叩いて皮の繊維を切る作業をします。そうすると長く皮が緩まず、余韻の響きが良くなるんだそうです。

木槌をあっちこっちで探したんですが、大きなものがどこにも売ってなくて困っていたのですが、そういえばうちには日本人会の餅つき用の杵があったっ!!ということで、槌打ちではなく杵打ちになりました。
最後に太鼓鋲を打っておしまい。

実はこの太鼓鋲、打った後で頭に木切れを当てて叩くと、かなりの修正が効きます。なので、あまり気にせずにボコボコ打っていっても後で綺麗に並べなおすことができます。
出来上がった太鼓を1日乾燥させて試し打ちをしました。(上の動画の最後と同じ)
動画:試し打ち最初が張り替えてない裏面、次が張り替えた面、最後が比較用にほぼ新品の貼り合わせ高級胴の太鼓です。
初めて張った太鼓の皮、耳一個千切っちゃったけど、まあ大成功でしょう。
さて、あと5台・・・はぁ。